年報第1号の発刊に寄せて
学会長 黒沢義孝 (日本大学名誉教授)
日本信用格付学会の年報第1号が出来上がりましたので、学会員の皆様、第1回学会でご報告いただいた方々、本学会の設立等にご協力いただいた方々、信用格付けにご興味をお持ちの方々にお届けいたします。
日本信用格付学会は信用格付けに関する研究、及び資本市場等における信用格付けの普及と発展のために、2002 年以降約20年間にわたって活動してきました NPO フェア・レーティングを発展的に解散し、日本信用格付学会として 2021 年 11 月に設立されました。本学会は資本市場の機能強化を促進する要の一つとなる信用リスク情報(格付け)についての研究を蓄積し、日本経済・産業の発展に寄与することを目的としております。
本学会設立の約半年後の 2021 年 6 月 12 日(日曜日)に第 1 回全国大会を Zoom で開催し、記念講演として 3 名、自由論題講演として 5 名の方々にご報告をいただきました。記念講演は「日本信用格付学会に期待すること」と題して石村幸三様(金融庁監督局参事官)から、「金融市場における信用格付けの意義と課題」と題して根本直子様(早稲田大学教授)から、「ESG に対する格付会社の対応〜信用格付けへの反映と ESG 関連の評価」と題して大洞聖子様(S&P グローバル・レーティング・ジャパン:マネージングディレクター)からご講演をいただきました。自由論題においては、「信用格付け分析における定性評価の重要性・日本の大手電力会社の格付けを題材に」と題して廣瀬和貞様(アジアエネルギー研究所・代表)、「企業グループの格付け」と題して久保田穣様(大和証券・上席審議役)に、「サステナブルファイナンスにおける格付けの役割」と題して香月康伸様(みずほ証券・SDGs プライマリーアナリスト)に、「デジタル時代の信用格付けに関する考察」と題して村松健様(SBI 金融経済研究所事務局次長兼企画管理部次長)に、「中小・中堅企業の格付け」と題して田村香月子様(関西大学准教授)から、合計5つのご報告をいただきました。ご講演いただいた3名の方(石村幸三様、大洞聖子様、久保田穣様)に特別招聘論文として、2 名の方(香月康伸様、田村香月子様)に研究論文としてお纏めいただき年報第1号に掲載いたしましたのでご一読いただければ幸甚です。